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当院は噛み合わせの専門治療を行っていますが、最近入れ歯の噛み合わせが悪いと来院いただきます。入れ歯を装着した状態のお口を拝見すると、確かに噛めていないと思われる症例に出会います。
どうして入れ歯の噛み合わせが悪いと感じるのでしょうか。
また、どうして入れ歯を作ると噛み合わせが悪くなったように感じるのでしょうか。
実際にいただいたことのある質問に答える形式と当院の見解を合わせてお伝えできれば、きっと入れ歯の噛み合わせが悪いとお悩みの方に役立つ情報があると思います。ぜひ最後までご覧ください。
よくある質問で、入れ歯を入れたら噛み合わせが悪くなるのだけど、入れ歯って噛み合わせが悪くなるものですか?と聞かれます。
私の答えとしては「入れ歯を入れたら噛み合わせが悪くなるのではなく、噛み合わせを考慮していない入れ歯を作っているのではないか?」と考えています。
上記の写真は実際に当院で製作した総入れ歯です。印象採得や咬合採得、咬合器での分析をして入れ歯を作製します。症例によっては治療用義歯を使用して口腔内のデータを採取して、本番の義歯作製につなげていくこともあります。
“入れ歯は型取りして終わり”というわけではありません。
特に総入れ歯は噛み合わせの自由度が高く、咬合再構成(噛み合わせを再度作り直す)とも呼ばれています。総入れ歯で適切な噛み合わせが作れなければ、天然歯がある歯で適切な噛み合わせを作ることはできません。
あなたが作った総義歯がどのように作製されたかを今一度思い出してみてください。型取りして出来上がったものを入れれば合うほど、入れ歯で正しい噛み合わせを作るのは甘くありません。
結論から言うと、噛み合わせが悪くなることはあります。
なぜなら、お口の中は絶えず変化します。歯がなくても、歯槽堤と呼ばれる骨の量や歯茎などの粘膜は変化します。また、入れ歯も使い続けていれば調整や修理が必要になる場合があります。それらのいずれか、または双方が起これば噛み合わせは悪くなります。
そのために歯科には「メンテナンス」があります。メンテナンスは虫歯や歯周病の再発防止だけではなく、入れ歯などの補綴物の状態を確認し、適切な処置を施す役割があります。
変化する口腔内や入れ歯を定期的にメンテナンスすることにより、長く使えるようになるのです。
欠損補綴(失った歯を補う治療)は、主にインプラントが第一選択となっています。天然歯を保存することができるし、負担をかけない。ブリッジや入れ歯を固定する支台歯としての役割も果たせる。これらのメリットがありますから、インプラントを選択することは自然なことだと思います。
それにより、入れ歯を作れない歯科医院は増えています。多数歯欠損(沢山歯を失っているお口)で、本来は義歯のほうが侵襲度が少なくて適切な症例もあるのに、インプラント何本も入れたり、オールオン4やボーンアンカードブリッジのような固定式の入れ歯を入れているケースもあります。
これらの治療が悪いとは言いません。ただし、インプラントが出来ない患者さんや外科治療に恐怖感がある患者さんの問題は解決することができません。入れ歯で噛み合わせが悪くなる理由の1つは、入れ歯にこだわりを持って作れる人が少なくなっているのではないかと思います。
これは歯科医師の問題ではなく、歯科の潮流がその方向に向かっていると言えます。
当院では入れ歯の噛み合わせが悪いとお悩みの方に向けて、診療相談やセカンドオピニオンを受け入れています。特に入れ歯が絡む噛み合わせの問題は解決されないまま、入れ歯自体の装着を諦めてしまうかたもいらっしゃいます。
入れ歯の装着をやめてしまうと、様々な問題が発生します。お悩みになられたら、いつでもご相談ください。
噛み合わせは様々な問題が重なり合い、症状が顕在化します。
その問題を一つひとつ解き明かしていくことが何よりも重要です。したがって、噛み合わせの問題を明らか
にするための検査を行い、あなたにとって本当に必要な治療計画を考える必要があります。
当院では噛み合わせの相談、検査・治療のご相談を承っております。
噛み合わせの重要性から必要な検査、治療についてお話をさせていただきます。
※上記の日時以外は蒲田院で治療を行います。