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※保険外治療になります。
矯正治療において、重なっている歯を並べるために、健康な歯(小臼歯)を抜くことが一般的です。しかし、小臼歯は下顎の動きを誘導し、顎関節を保護する役割があります。
歯が並ぶスペースが不足している原因は、歯が前方に倒れていることが多いため、倒れた歯を起こす方法が考案されました。それがマルチループです。
通常の矯正装置とは異なり、マルチループは一つ一つの歯にループが付いており、多くの歯を同時に起こすことが可能です。ループの存在により、ワイヤーの全長を長くすることができ、微力で持続的に作用します。さらに、ループの形状を調整することで、各歯の高さを調整でき、これにより外科矯正でのみ治療可能だった開口症(閉じた状態で奥歯しか接触せず前歯が開いている状態)も手術をせずに治療できるようになりました。
マルチループはDr. Young H. Kimが開発したワイヤーテクニックで、これまで外科矯正でしか治療できなかった開咬(咬んだときに前歯が開いている状態)を治療できるテクニックです。
ループの調整により、各歯の傾きと高さを一斉に調整し、前歯を閉じさせることが可能です。特徴として、ループの分だけワイヤーの全長が伸び、弱い力が持続的に作用すること、奥歯を起こしてスペースを確保するため、健康な小臼歯を抜かずに歯を整列させることができます。
また、かみ合わせ面の平面を後方上げにすることで下顎を後退させ、後方下げにすることで下顎を前方に移動させ、骨格の調整が可能です。小臼歯を抜かないことは、顎関節を保護するために重要です。小臼歯の位置と形態は、顎関節が後方に押し込まれるのを防ぐ役割があるためです。
写真の上下の歯に付いているワイヤーがマルチループです。ループに変形を与え、3週間ごとに調整し、11ヶ月後の下段の写真が示されています。リスクとしては、適切なケアを怠るとワイヤーが複雑になりやすく、汚れがたまりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが増加する可能性があります。
開咬(オープンバイト)の状態です。 前歯が全く噛めていない状態で、奥歯でしか噛めていないことがわかります。 開咬(オープンバイト)は、日本歯科医師会が推奨している8020運動達成者の中には1人もいないことがわかっています。見た目以上に歯を失うリスクが高い不正咬合です。
理想的な咬み合わせと審美性の双方を獲得することができました。 この矯正は非抜歯で行っているため、患者様ご自身の歯を全て残すことができました。この患者様は欠損している歯がありましたので、インプラント治療も行っています。欠損歯を含めて咬み合わせを考慮することができました。
年齢・性別 | 30歳 女性 |
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主訴 | 噛み合わせがズレる、噛めない |
治療内容 | 咬合診断、インプラント(欠損部)、矯正治療 治療期間 約3年 |
治療期間 | 約3年 |
治療のリスク | メンテナンス不足によるインプラント周囲炎 保定装置を正しく使用しないことによる後戻り |
治療費用 | 1,870,000円(税込) 検査費、インプラント、インプラント上部、矯正治療込 |
噛み合わせは様々な問題が重なり合い、症状が顕在化します。
その問題を一つひとつ解き明かしていくことが何よりも重要です。したがって、噛み合わせの問題を明らか
にするための検査を行い、あなたにとって本当に必要な治療計画を考える必要があります。
当院では噛み合わせの相談、検査・治療のご相談を承っております。
噛み合わせの重要性から必要な検査、治療についてお話をさせていただきます。
※上記の日時以外は蒲田院で治療を行います。